という、はなし

私たちは、いろいろなところで本を開く。電車で、ベッドで、公園のベンチで、縁側で、喫茶店で、お風呂で…。なぜそこで本を読んでいるのか、何を読んでいるのか、何を感じているのか。そこには、ひとつひとつ異なる物語がある。そしてもちろん、開いた本の中にもまた別の物語があるだろう。フジモトマサルが描いた読書の風景から吉田篤弘が紡いだ物語が24。星空を眺めるごとく味わえる物語集。

アンジェリーナ 佐野元春と10の短編

駅のベンチで拾ったピンクのトウシューズに恋した僕は、その持主の出現を心待ちにするー「アンジェリーナ」。猫のペーパーウェイトによって導かれたベストセラー小説とはー「バルセロナの夜」。佐野元春の代表曲にのせて、小川洋子が心の震えを奏でて生まれた、美しい10の恋物語。物語を紡ぐ精霊たちの歌声が聞こえてくるような、無垢で哀しく、愛おしい小説集。

体の贈り物

食べること、歩くこと、泣けること…重い病に侵され、日常生活のささやかながら、大切なことさえ困難になってゆくリック、エド、コニー、カーロスら。私はホームケア・ワーカーとして、彼らの身のまわりを世話している。死は逃れようもなく、目前に迫る。失われるものと、それと引き換えのようにして残される、かけがえのない十一の贈り物。熱い共感と静謐な感動を呼ぶ連作小説。