賢者たれ

巷にあふれる、出所のはっきりしない、無責任な情報は、

うそはっぴゃく【嘘八百】

非常にたくさんのうそ。何から何までうそであること。

とまではいかなくても、せめて

はなしはんぶん【話半分】

事実は話の半分程度だ、つまり話された事には半分ぐらいの誇張・うそがあると思えという意。

に聞いておく慎重さが欲しい。

うのみ【鵜呑み】

①鵜(う)が魚を呑み込むように、かまずに食物を呑み込むこと。➁転じて、人から言われた事を、よく考えずに、また、十分理解しないままで、取り入れること。まるのみ。

にしたうえ、それを

ふいちょう【吹聴】

あちこち言いふらすこと。

するなど、もってのほか。

*語釈は岩波国語辞典 第八版より引用

偶然

昨日投稿した『国語辞典の「らしさ」』の中で新明解国語辞典の「ラジオ」の用例について触れたが、その後いろいろ調べていたら、実はそれ、かなり前から、一部の人々の間で話題になっていたようだ。

直近では2020年11月16日放送の「たまむすび」(TBSラジオ)で取り上げられていて、19日発売予定の第八版を検証し、用例が変わっていたことがわかった。参考までに第七版までの用例は初版(1972年発行)からずっと同じだったようで、第八版での変更が初めてということになるらしい。

ちなみに新明解国語辞典と言えば「恋愛」や「動物園」などの個性的な語釈が多い国語辞典としても有名だが、僕は今回の件についてはまったく知らなかった。そもそもは岩波国語辞典の「ラヂオ」という表記に惹かれ、その流れで新明解国語辞典を引いてみたのだが、それにしてもその用例に目を留め、興味を持った「偶然」に自分でも驚いている。

さて、最後に新旧の用例を示す。ネタバレが嫌な人はこの先は読まないように。

新明解国語辞典「ラジオ」の用例

「最近のラジオはおもしろくない」 / 初版(1972年発行)~第七版(2012年発行)

「ラジオから得られる情報は多い」 / 第八版(2020年発行)

国語辞典の「らしさ」

国語辞典で「ラジオ」を引いたら、興味深い記載があった。

まず岩波国語辞典には補足的説明として「昭和前期まではラヂオと書いた」とある。ラヂオ・・・。まるで当時のノイジーな音質がそのまま伝わってくるようではないか。過去の表記として埋もれてしまうにはあまりにももったいない。「ヂ」を当てた方がふさわしい場面はこれからも必ずある。「ラヂオ」を手放してはいけない。

新明解国語辞典の「最近の━はおもしろくない」という用例は、「おもしろくない」がおもしろい。あえて否定的なのはそれが編者の本心だからのように感じられ、「おお、やはりあなたもそう思いますか」と握手を求めたくなる。

もちろんこれらの解釈は僕が勝手にしたものに過ぎないのだが、それぞれの国語辞典が持つ「らしさ」を感じられる好例だったことは確かだ。国語辞典にはまだまだ知らないことが載っている。ことばの意味だけじゃない。各国語辞典に、それぞれの「らしさ」が隠れている。

*岩波国語辞典の補足的説明は第八版(記事執筆時の最新版)、新明解国語辞典の用例は第七版(記事執筆時の最新版は第八版)より引用しています

不可欠の要素

必ずしも毎日ではないし、聞き始める時間も決まっていないが、「ラジオ深夜便」には結構お世話になっている。

どちらかといえば高齢者向けの番組なので趣味に合わない内容もあるけれど、この番組を聞いていなかったら一生知ることはなかったであろう「人」や「もの」(こと)に興味を持ち、そこから新しい世界が広がっていくことも少なくない。

ちなみに今はネットでもラジオを聞くことができて、聞き逃した番組も一定期間は再聴取できる便利な時代だけれど、やはりこの番組の「雰囲気」をしっかりと味わうためには、その名のとおり「ラジオ」(受信機)と「深夜」が不可欠の要素となる。ネットで、好きな時間に、内容さえ把握すればいいというものではないのだ。

とは言え、かしこまって聞く必要はない。僕もしょっちゅう寝落ちしている。

きっかけ

今朝、読売新聞朝刊の1面下段に「山口仲実著作集 全8巻」なる書籍広告を見つけた。

山口仲実?どこかで見た(聞いた)名前だなと思い、その広告の説明を読んでみると「オノマトペ」の文字が目に入り、思い出した。「擬音語・擬態語辞典」の編者だ。

本棚を確認してみると、あった。やはりそうだ。擬音語・擬態語辞典 (講談社学術文庫)の編著者として山口仲実(やまぐち・なかみ)の名がある。

一応辞書ではあるが文庫サイズで、読んでも楽しい本なので、いつでも開けるようにそのまま手元に置いておくことにした。「きっかけ」とはそんなものだ。

今年もたくさんのいいきっかけを得られますように。