新聞をやめて一週間が経った。時々不便を感じることもあるが、それでもだいぶ慣れてきた。こうして従来の「当たり前」が、新しい「当たり前」になっていくのだろう。
そういえば新聞をやめようと思った時に、その段取りをネットで下調べしたのだが、解約トラブルの例がたくさん出てきた。どちらかといえば客の方の無知やわがままが原因であることが多いように思ったが、それでもちょっと心配になった。結果的にそれは取り越し苦労に終わり、我が家は何のトラブルもなく「円満解約」できたのだが、果たしてそれが「当たり前」のことだったのか、それとも「幸運」だったのかはわからない。時代や地域などによっても違うのかもしれない。
ちなみに国語辞典で「当たり前」を引いてみると
[名・形動]《「当然(とうぜん)」の当て字「当前」を訓読みにして生まれた語》
1 そうあるべきこと。そうすべきこと。また、そのさま。「怒って当たり前 だ」
2 普通のこと。ありふれていること。また、そのさま。並み。ありきたり。「ごく当たり前 の人間」「当たり前 の出来」コトバンク(デジタル大辞泉)より引用
とあるが、僕が注目したのは《「当然(とうぜん)」の当て字「当前」を訓読みにして生まれた語》という部分だ。「当たり前」の「曖昧さ」や「変動性」を象徴するような語源が面白く、納得できる気がした。